スマホのカメラ越しに、部屋の床の上にキャラクターが立っている——そんなAR体験をUnityで作りたいと思ったことはありませんか。
AR開発は一見難しそうですが、やることの芯はシンプルです。
現実空間を認識する → 認識した場所に3Dを置く → カメラと一緒に追従させる、この3点を押さえれば第一歩は踏み出せます。
この記事では、AR Foundationを使ったスマホARの基本を、パッケージ導入から平面検出・オブジェクト配置まで順を追って説明します。
実機ビルドの前提知識も触れるので、エディタ上だけで止まっている方にも役立つ内容です。
- ARCoreとARKitの違いが分からず、AndroidとiOSで何を設定すればいいか迷っている…
- AR Sessionを置いたのに、カメラ映像が真っ黒のまま動かない。
- 平面は検出できたが、タップしてもオブジェクトが配置されない。
✨ この記事でわかること
- AR Foundationパッケージの導入方法
- ARCore(Android)とARKit(iOS)の設定の違い
- ARPlaneManagerで床や机を認識する手順
- タップでPrefabを配置する最小デモの流れ
- ルームスケールARとマーカーベースARの違い
- 実機テストとトラッキング品質の確認ポイント
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AR Foundationとは・スマホARの仕組み
AR Foundationは、AndroidのARCoreとiOSのARKitをUnityから共通のAPIで扱うためのパッケージです。
プラットフォームごとに別々のコードを書かなくても、同じスクリプトで平面検出やオブジェクト配置ができます。
スマホARの基本は、カメラ映像に深度や特徴点の情報を重ね、水平面(床・机)を推定することから始まります。
認識した平面の上に3Dモデルを置くと、ユーザーが歩き回ってもオブジェクトが現実空間に固定されたように見えます。
| 方式 | 特徴 |
|---|---|
| ルームスケールAR | マーカー不要で部屋の床や壁を認識し、自由にオブジェクトを配置できる |
| マーカーベースAR | 印刷したマーカー画像をカメラが読み取り、その上にモデルを表示する |
近年のスマホ向けゲームやアプリでは、ルームスケールARが主流です。
AR Foundationもこの方式を前提に設計されています。
パッケージ導入とXR設定
まずPackage Managerから「AR Foundation」をインストールします。
Android向けなら「Google ARCore XR Plugin」、iOS向けなら「Apple ARKit XR Plugin」も追加してください。
次に、Edit → Project Settings → XR Plug-in Managementを開き、AndroidタブでARCore、iOSタブでARKitにチェックを入れます。
ここを忘れると、ビルド後にARが起動しません。
Player Settingsでは、Androidの場合はMinimum API LevelをARCoreが要求する値以上に設定します。
iOSではカメラ使用許可の説明文(Privacy – Camera Usage Description)を必ず記入してください。
空欄だとストア審査や実機起動で弾かれます。

ARはエディタのGameビューだけでは本番の挙動が分かりにくいです。
早めに実機へビルドする習慣をつけると、トラッキングの癖に気づきやすくなりますよ。
AR Sessionとシーンの基本構成
ARシーンの中心になるのがAR Sessionです。
Hierarchyで右クリック → XR → AR Session を追加してください。
併せて「XR Origin(AR Rig)」も配置します。
カメラはこのRigの子として動き、現実空間との位置関係を保ちます。
AR Session Origin(またはXR Origin内のコンポーネント)に、AR Plane Managerを付けます。
これが平面検出の要です。
Plane Prefabには、半透明のQuadなどを割り当てると、検出した床が可視化されてデバッグしやすくなります。
- STEP1AR FoundationとXR Pluginを導入
Package ManagerとXR Plug-in ManagementでARCore/ARKitを有効化します。
- STEP2AR SessionとXR Originを配置
シーンにARの基盤オブジェクトを追加します。
- STEP3ARPlaneManagerで平面検出を有効化
床や机の平面が認識されるよう設定します。
- STEP4タップ入力でPrefabを生成
認識した平面上の位置に3DモデルをInstantiateします。
平面検出(ARPlaneManager)の使い方
ARPlaneManagerは、カメラが映す環境から水平面・垂直面を推定し、検出結果をARPlaneとして管理します。
Detection ModeをHorizontalにすると床や机など水平方向の平面に絞れます。
初めてのデモではHorizontalだけにしておくと分かりやすいです。
平面が検出されると、Plane Prefabのインスタンスがシーン上に現れます。
実際の製品では、開発中だけ可視化し、リリース時は非表示にするのが一般的です。
トラッキング品質を確認するコツ
AR Sessionの状態は、トラッキングが安定しているかどうかで体験が大きく変わります。
照明が暗い、模様のない床、ガラス面ばかりの環境では認識が不安定になりやすいです。
- 明るい室内で、木目やタイルなど模様のある床を映す
- カメラをゆっくり動かし、特徴点を拾わせる
- Tracking StateがLimitedのときは配置を待つ
タップでPrefabを配置する最小実装
平面が検出できたら、画面タップでPrefabを置く処理を足します。
AR Raycast Managerを使うと、タップ位置からAR平面へレイを飛ばし、ヒットした座標を取得できます。
配置用のPrefabは、原点付近に小さなCubeやキャラクターモデルを用意しておけば十分です。
Scaleは0.1〜0.3程度から調整し、現実の机の上に置いたとき自然な大きさになるよう合わせましょう。
using System.Collections.Generic;
using UnityEngine;
using UnityEngine.XR.ARFoundation;
using UnityEngine.XR.ARSubsystems;
public class ARPlaceOnTap : MonoBehaviour
{
public GameObject placedPrefab;
ARRaycastManager raycastManager;
List hits = new List;
void Awake
{
raycastManager = GetComponent;
}
void Update
{
if (Input.touchCount == 0) return;
var touch = Input.GetTouch(0);
if (touch.phase != TouchPhase.Began) return;
if (raycastManager.Raycast(touch.position, hits, TrackableType.PlaneWithinPolygon))
{
var pose = hits[0].pose;
Instantiate(placedPrefab, pose.position, pose.rotation);
}
}
}
このスクリプトをXR Originにアタッチし、InspectorでPrefabを割り当てれば、タップ配置の最小デモが動きます。

オブジェクトが空中に浮くときは、RaycastのTrackableTypeやPlaneの向きを確認してください。
Horizontal平面にだけ置きたいなら、Detection Modeも水平に絞るのが確実です。
実機テストの注意点とVRとの違い
ARは現実のカメラ映像に3Dを重ね、VRはヘッドセット内の仮想空間に没入する、という点が根本的に異なります。
XR Plugin Managementの設定も、AR用とVR用で切り替える場面があります。
同じプロジェクトで両方扱う場合は、ビルドターゲットごとに有効プラグインを分ける設計が必要です。
実機テストでは、以下を事前に確認しておくとトラブルが減ります。
- AR対応端末か(非対応機ではアプリが起動しない)
- カメラ権限の許可ダイアログが表示されるか
- ビルド後の初回起動で平面検出まで30秒ほどかかることもある
開発中はUSBデバッグでログを見ながら調整し、配置座標やオブジェクトの向きを微修正していく流れになります。

「床に置けた!」ができたら、次は影の付け方やUIの配置です。
一気に全部やらず、体験の質を少しずつ上げていきましょう。
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まとめ
UnityでのAR開発は、AR Foundationを導入し、AR Sessionと平面検出を設定し、タップでPrefabを置く——この流れを一度通せば、スマホARの土台は完成です。
AndroidはARCore、iOSはARKitのプラグイン設定を忘れずに。
実機でのトラッキング品質が体験を左右するので、照明や床の模様にも気を配りながらテストを重ねてください。
VRとは用途が異なるため、XRの分岐も意識しておくと後の拡張が楽になります。
もっと実践的に学びたい方は、Unity入門の森の講座で、ゲーム制作の基礎から応用まで体系的に追うのも一案です。
まずは今日、机の上にCubeが置けるところまで進めてみましょう。



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